含まれている栄養素(タンパク質)
タンパク質は、皮膚や筋肉、ホルモンなど体を形成する上で重要な栄養素です。
人間にとっては炭水化物や脂質がエネルギー源となりますが、元々肉食動物である猫にとっては、タンパク質が活動するためのエネルギー源でもあります。
以前は牛肉や豚肉、鶏肉といった動物性タンパク質が消化吸収にもいいということで使用されていました。
最近は食品の加工技術が進み、大豆や小麦、コーンなどの植物性タンパク質の消化吸収率も向上し、タンパク源が動物性か植物性かということの重要性はなくなりつつあります。
猫の一日の食事量の25~30%がタンパク質であることが必要とされています。
タンパク質を食べると、消化によりアミノ酸に分解され、体中の組織やエネルギーとして使われ、一部は組織や血液中に蓄えられます。
体内で合成できるアミノ酸非必須アミノ酸と体内では合成できず食物から摂り入れる必要のある必須アミノ酸があります。
皮膚や筋肉、内臓、神経、免疫力など体の隅々の細胞に至るまで使われています。
体の形成に必要なものだから、何でも与えればいいというものではありません。
質と量とバランスが重要になります。
例えば、アルギニンが不足すると、アンモニアを分解・解毒する働きが弱まり、アンモニア血症を引き起こし死に至ることもあります。
また、タウリンが不足すると、網膜の異常や拡張型心筋症、免疫不全、繁殖や子猫の発育異常を引き起こすこともあります。
さらに、タンパク質を過剰に摂取すると、使われずに残ったアミノ酸は、糖や脂肪として体に蓄積され、肥満の原因となります。
また、腎臓や肝臓に負担をかけ、病気を引き起こす原因にもなります。
逆に、成長期の子猫や妊娠・授乳期にタンパク質が不足すると、体の形成に必要なアミノ酸が供給されず、成長不良、貧血、皮膚や毛の劣化、発情がなくなったりと、病気や体調不良の原因となります。
ですから、健康な猫の成長のためには、年齢やステージに応じた必要なタンパク質を配合したのキャットフード選びと、適切な量を与えることが大切です。