含まれている栄養素(炭水化物)

炭水化物は猫にとっても大切な栄養素の一つです。
糖質と食物繊維からなり、糖質は活動のエネルギーとなり、食物繊維は胃や腸をきれいにし、消化器官の機能を正常にする働きがあります。
元々肉食の猫にとっては重要な栄養素ではなく、適正な摂取量も定められていません。
炭水化物のカロリーは、1グラム当たり4キロカロリーで、コメやでんぷん、トウモロコシ、芋などに含まれています。
キャットフードに含まれる炭水化物の量が35%までは問題はありませんが、40%以上になると、高グルコース血症や下痢、鼓腸などの問題や食物アレルギーを起こす可能性が高くなるという論文もあります。

体内でエネルギー源となるグルコースは、炭水化物からばかりではなく、脂質やタンパク質からも作られます。
脳や筋肉の活動に使われ、視床下部により自動調整されています。
不足すると体内の脂肪や筋肉を分解して血中に補給されますが、過剰になると、余分なものはグリコーゲンとして肝臓に蓄えられ、さらには体脂肪として脂肪組織に蓄積されるため、肥満の原因ともなります。
猫の糖代謝能力は低く、雑食動物に比べると、グルコキナーゼという酵素の働きは弱く、また、フルトキナーゼというフルクトースの代謝にかかわる酵素も持っていません。
乳糖を分解するラクターゼという酵素は、生まれたばかりでは活発なのですが、離乳後に急速に減少し、下痢や鼓腸の原因となっています。
食物繊維は、食べたものの消化器官内の通過時間を調整したり、血中グルコースの濃度を調整したり、腸内を整える働きなどもありますが、摂りすぎると、下痢やおならの原因ともなります。
猫の腸は体調の4倍程度と、他の動物に比べ短いため、腸内で繊維質を充分に分解することができないためです。

炭水化物の消化性を高めているキャットフードもありますが、あまり多すぎるものは避けたほうがいいでしょう。
炭水化物の配合量の記載のないものもありますが、タンパク質や脂質などの他の成分の配合量から逆算することもできます。